その昔、一月十五日にはあずきがゆを食べ、かゆ杖(かゆを炊いた木を削って作った杖。かゆの木、お祝い棒、嫁たたきともいう)を作ったそうです。
江戸時代宝暦年間の川柳に「細腰をやなぎでたたく十五日」「かゆ杖でたたかれ嫁の腹がはれ」というものがありますが、このかゆ杖で女性の腰をたたくと男の子が授かる、安産になる、という言い伝えがありました。
かゆ杖を持った子供が新しく嫁を迎えた家に入って嫁さんの腰を打てば男の子が生まれるといわれ、全国的に行われていました。すなわち「子宝祈願」のこの風習が、「たたき地蔵」のもととなって今日に受け継がれたものと思われます。
たたかれた女性は相手の肩を叩き返してお礼をしたのだと伝えられています。
その後「弁天様」の宵祭りに行われるようになり、文字通り『天下の奇祭』の異名を持つ若い衆や嫁衆の楽しいお祭りとなったそうです。